『グルコサミンはひざに効かない 元気に老いる食の法則』 山本敬一著 PHP新書
グルコサミンはひざに効かない 元気に老いる食の法則 (PHP新書) | ||||
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テレビを見ていると、たくさんの健康食品のCMが流れる。有名な俳優やタレントを使って、これでもかこれでもかと効能を訴えかけてくるものも少なくない。そして消費者を煽るかのように、初回限定キャンペーンなどで何とかして取り込もうと躍起になっている。最近では特保の宣伝も加わり、あれもこれも、どれもこれも身体にいい気がしてくる。
そしてそれに輪をかけて混乱させるのが、テレビの健康情報番組。民放ならまだしも、NHKなどの健康情報番組でも様々な食品が取り上げられて、放送があった次の日には、その食材がスーパーからなくなるというのだからものすごい影響力。
しかし実際のところ、どれだけの健康食品が身体にいいのだろうか?ほんとうにグルコサミンを摂ると、膝が良くなるのだろうか?
私は鍼灸師をしているので、患者さんからも何を飲んだらいいのかとか、CMでやってるあれはどうなのかと聞かれることがあります。本来であれば、私自身が一つ一つ実際に使ってみてその効能を実感できるかどうかを測るのが一番だと思うのですが、これだけの数があるとちょっとそれは無理・・・。
ということで、先ずは正しい科学的な見地からその効能を検証しておく必要がある。そこで、本書を手にしてみたのですが、これがなかなか良かったです。
本書では、タイトルにあるグルコサミンや、健康食品によく含まれるコンドロイチンなどの物質を皮切りに、健康情報番組で取り扱われる赤ワインなどの食材なども取り上げています。さらには、長生き遺伝子と呼ばれるサーチュイン遺伝子についても言及があり、え?と思わず言ってしまいそうなことも書かれています。
ところどころ科学者らしい不器用な感じの著述もありますし、最後の章については特に必要なかったかな?というところもありますが、正しい知識を身につけて、食品リテラシーを上げるためにはお薦めの一冊です。無駄なお金を、効かない健康食品に注がないためにも読んでほしいと思います。
ちなみに、鍼灸師の中には、高価な健康食品を患者さんに売りつける方もいると聞きますが、そういった商売をしている方には気をつけないといけません。
また、先日、たくさんの健康食品を摂っている方に、一度健康食品デトックスをお薦めしたところ、1~2週間で顔色がすっかり良くなりました。おそらく、様々なサプリメントや健康食品が、肝臓の解毒機能などに負担をかけていたのだと思います。最初は効果が出ていた健康食品でも、長期間摂ることによって負担になることも出てきますので、その使用については注意が必要で、体調に合わせて適宜増減することがいいのだと思います。
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