『問題解決ラボ 「あったらいいな」をかたちにする「ひらめき」の技術』 佐藤オオキ著 ダイヤモンド社
Webサイトはもちろんのこと、街を歩いていると、“良いデザインだなぁ”と直感的に感じるものが増えてきたような感じがします。特にこの2,3年はそれを強く感じます。例えば観光地で見かけるお土産のパッケージなども、昔はコテコテしたキワモノ的なものばかりだったと思いますが、最近は控え目ながら目を惹くパッケージデザインも増えており、これなら友達に買っていっても喜ばれそうな、相手のことを思いやれるデザインが多くなっています。これは、とっても良い傾向だなと思います。だって、良いデザインを見ると、無意識のうちに何だかどこかが嬉しくなって、心が豊かになっているから。
というわけでもないのですが、『問題解決ラボ――「あったらいいな」をかたちにする「ひらめき」の技術』というタイトルに惹かれて本書を手にしました。
こじつけるならば、鍼灸師というお仕事は、患者様それぞれの身体に合わせて使用するツボをデザインするわけでありまして、あながちデザインと無関係ではないとも思うわけでありまして。
ということで、本書を読み進めていきますと、ふむふむ、なるほどなるほどとこれまた“なんとなく”なのでありますが、頭の中がきれいにデザイン(整理)されていくような感じがあります。
というのも、著者にとってデザインとは商品を売らんがためのものではなく、見えない価値を形にし、結ぼれてしまった糸をほどいて整理するような作業。結果としてそうやってデザインされたものは、見る者の感覚に訴えるところが大きいために、売れるものになっていく。あくまで著者にとってデザインは息をするのと同じ位に普通なことで、言葉を発するのと同じように心地よく、でもかといって普通ではない何かを提供することなのだろう。
そういった大きなコンセプトを持つ著者が書いた本なのですから、この本はデザインを専門にする人だけのものではなく、多くの人に役立つもになるのは当然ではないでしょうか。例えば仕事だけではなく、家の中で荷物がうまく整理されないとか、導線がうまくいっていないときなど、ちょっと立ち止まって著者が提案する“デザインする意識“を持ってみると、少しずつでもまさに本書のタイトル通りに、問題が解決されていくのではないでしょうか。
いわゆるデザインという小さな枠に留まらず、人生を歩く景色を豊かにしてくれる人生全体のデザインのヒントが満載の一冊です。
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問題解決ラボ――「あったらいいな」をかたちにする「ひらめき」の技術
- 作者: 佐藤オオキ
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2015/02/27
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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