『台湾に行ったらこれ食べよう!』 台湾大好き編集部 誠文堂新光社
台湾行ったらこれ食べよう!: 地元っ子、旅のリピーターに聞きました。 台湾大好き編集部 誠文堂新光社 2015-02-12 売り上げランキング : 5809
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この間の11月4日、5日と臨時休業をさせていただきました。
今回臨時にいただいたお休みと祝日を併せて、台湾に行って参りました。
目的は、台湾の食事情など、薬膳がどのように親しまれているかを見てくるのが第一。私の嫁さんが去年、国際中医薬膳師の資格を取り、現在かなりの勢いで食養生の知識を吸収しており、我が鍼灸院でも食事のアドバイスなどに少しずつ協力してもらっております。
そうしますと、だんだんと現地はどうなっているのだろうと興味津々になってきまして、それでは台湾に行ってみようか?という話になりました。患者様にはご迷惑をおかけいたしましたが、こういったことも大切なので・・・などと自己弁護しつつ。
今回の旅は2泊3日という短いものでした。そのため旅は台北に限られましたが、それでも十分に台湾を肌に感じながら、そして胃袋にも台湾を感じることが出来ました。
台湾はこんな風に、街のあちこちに軽く食べられるようなお店がたくさんあります。中には十全大補湯を使ったスープなど、漢方の生薬を使ったごはんがとても安い値段(300円~400円)で気軽に食べることが出来ます。ちょっと寒気がするなぁとか、ちょっと疲れたなぁというときなど、こういった生薬の入ったものを簡単に食べることが出来るわけです。日本だと疲れた時は栄養ドリンクですが、台湾は食事で摂ることが出来るのですから、とてもパワフルであります。
今回台湾を旅するにあたり、やはりガイドブックは必要だろうと何冊か購入しました。
まず自分はバックパッカーをしていた頃から『地球の歩き方』を使っていたので、自分用にはそれを。
そして嫁さんが選んだのが、冒頭の『台湾行ったらこれ食べよう!: 地元っ子、旅のリピーターに聞きました。』というもの。写真がとても印象的で、文章はガイドブックというよりもエッセイ風。ガイドブックにしては実用には向かないのでは?とも思ったのですが、それでも、写真もいいし、ちょっとした蔵書のアクセントにもお洒落であるような、一冊本棚に入っていても悪くない。むしろなんだか気になってしまう、そんな一冊で購入。
実際このエッセイ集のような、フォトブックのようなガイドブックはかなり役に立ちしました。とりあえずどこに入ってもいいのですが、この本がいいのは、代表的な台湾の料理、といっても高級なものではなく、肩ひじ張らずに街の中で気軽に楽しめるごはんが出ているところがよく、旅の道中持ち歩いてとても役に立ちました。実際に旅のプランを立てるにしても、この本に出ているごはんを中心にしながら町歩きのルートを作ってもいいくらいではないでしょうか。
台湾に何度もいっている方にも使えそうな、旅のお供、そして写真を楽しむような、開いて楽しくなる一冊です。台湾旅行のご予定がある方にお薦めです。
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台湾行ったらこれ食べよう!: 地元っ子、旅のリピーターに聞きました。
- 作者: 台湾大好き編集部
- 出版社/メーカー: 誠文堂新光社
- 発売日: 2015/02/12
- メディア: 単行本
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『ジョコビッチの生まれ変わる食事』 ノバク・ジョコビッチ著 タカ大丸翻訳 三五館
ジョコビッチの生まれ変わる食事 ノバク・ジョコビッチ 三五館 2015-03-21 売り上げランキング : 241
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私はテニスのことはほとんど何も知りませんが、現在絶対王者として君臨しているのがジョコビッチという選手だということは知っています。そして日本の錦織圭選手が追いつけそうで追いつけない、そういう一つ高いところにいる選手だということも認識しています。そんなジョコビッチ選手の本が出ているということを知り、しかもそれが食事に関する本だということであれば、テニスに対して門外漢の私でも興味が沸くというところ。テニス世界ランキング世界1位のジョコビッチ選手が、果たしてどんな食事をしているのか?しかも、タイトルには「生まれ変わる」という文字までついている。さて、それは一体何なのか?
本書の種明かしの一つをしてしまいますが、本書の内容の大きな支柱は、「グルテンフリー」というもの。
グルテンとは、小麦粉に含まれる成分で、小麦製品のモチモチとした食感を生みだすたんぱく質のこと。パンをはじめパスタやピザ、様々な食品でその弾力性が利用されるグルテンですが、そのグルテンに対して不耐症、つまりグルテンが大なり小なり身体の中でアレルギーを起している人が世の中には多いらしいのです。
そこでその原因である小麦のグルテンを摂るのを辞めよう、というのがグルテンフリーです。
例えば明らかにアレルギーとして症状が出るのであれば、小麦は避けるべきものとして常に意識に登って弾くことが出来ます。しかしそこまでの症状が出てなかったとしたら、普通においしく食べて、よもや自分にグルテンアレルギーが起きているなんて思いもしないでしょう。しかしもし小麦系の食事をした後に、激しい睡魔に襲われたり、どこか調子を崩したりするならば、それはもしかしたらグルテンアレルギーの可能性が無きにしも非ずなのです。明らかな激しい症状が出ていないだけで、実際にはグルテンが身体の中で炎症を引き起し、様々な機能不全を起しているということかもしれないのです。もしかして自分の人生が思う存分自分を出し切れていないという実感があったり、頭がぼーっとしたり、集中力が無くなるのは、それは自分の才能のなさではなく、意識に登らない程度の軽いけれども、とてつもなく人生を左右するくらいの大きなグルテンアレルギーのためなのかもしれません。
本書は、グルテンがどのように悪いかという科学的、理論的な解説はほとんどありません。ジョコビッチが最初に受けたテストも、オーリングテストのようなキネオロジー的なものだったようで、それが信憑性のあるテストなのかどうかは議論の余地があるかもしれません。
しかしそういった外野の意見に耳を傾けるよりも、ジョコビッチ選手の活躍そのものが、グルテンフリーの大切さを如実に現しているのであります。
小麦は、その生産や販売において、穀物メジャーという超巨大な企業が関わっており、莫大な利益を生む構造になっています。もしグルテンフリーということが常識になれば、きっとこういった企業は打撃を受けるであろうために、誰もそのことを指摘する人はいません。そこでこうして世界的な英雄が一石を投じることは、とても勇気がいることで、とてもインパクトなることではないでしょうか。サッカーのメッシも、大好きだったピザ断ちをしてから身体の切れが戻ってきたといいます。本書の中でジョコビッチ選手が何度も読者に問いかけるように、グルテンフリーの生活を先ずは14日間だけでもしてみる価値はあるのではと思います。
本書の前半は、ジョコビッチ選手の幼少から今日までの半生記となっています。過酷な内戦を経験したジョコビッチ選手が、どのような環境の中で練習を積み重ね、そしてそこから這い上がりトッププレイヤーに登り詰めたか。続くグルテンフリーのお話しももちろん価値があるかと思いますが、それと倶にこの半生記を読んでおくことで、平和のありがたさを実感できます。そこもまた本書を読む価値のひとつではないでしょうか。
【グルテンフリーに関する他の参考図書】
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『叱りゼロで「自分からやる子」に育てる本』 奥田健次著 大和書房
叱りゼロで「自分からやる子」に育てる本 奥田 健次 大和書房 2011-12-24 売り上げランキング : 2707
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行きすぎた体罰が定期的にニュースになって報道されます。その度に、体罰の是非が問われ、それをネタに討論する番組があったりもします。また、古いところではスポーツ=しごきのようなイメージのこともまだ多いようで、以前は「尾藤スマイル」と称された箕島高校の尾藤監督の笑顔などは、しかつめらしい顔をした監督が多い中で、伸び伸び野球の代名詞として珍しく捉えられていました。打って変わって今は若い監督を中心に、監督も選手も笑顔で野球をやっているところが多くなっているようですが、厳しい指導がいいのか、笑顔がいいのか、これもまたそれぞれ議論が分かれるようです。
鍼灸院で小児鍼をしていると、様々な親子にお目にかかることになります。元気いっぱいのお子さん、元気が有り余っているお子さん、とても聞き分けのいい子、しっかりと自分のことを伝えようとする子などなど、ほんとうに小さい子供は個性が豊かで、それを前面に押し出して、こちらもそのエネルギーに圧倒されるほどです。私はその個性が大人になって消えないように、それぞれがそのまま大きくなったらパワフルでいい社会になるような気がしますので、それぞれのパワーを尊重して接するようにしています。
しかし中には、「この子は言うことを聞かないんですよねぇ~」とつぶやいたり、「ほら、鍼治療をするよ、ゲームは辞めて!」とお子さんを強く諫める親御さんがいらっしゃいます。
私は鍼灸施術者として接しているわけで、教育者でもありませんし、ほんの何十分かの滞在時間ですので、そういった教育的指導について、何かアドバイスをしようにも正直そこまで的確なケアが出来ないことがあります。また、それぞれの家族には、それぞれの方針がありますので、そこに口出しをすることはその否定にもつながりますので、静観するしかありません。それでもやっぱり、アドバイスを求められる時がありますので、私も喧々諤々、誉める教育がいいのか、厳しく叱る教育がいいのか、改めて考えてみることが多くあります。
本書はその一つの解決策として、「誉める教育」あるいは「叱らない教育」というものをモットーにしたもの。著者の根底には、「行動分析学」という心理学の一つの学問があるわけですが、これをベースに、どう接したらいいかという内容が基本になっています。
行動分析学とは、人の心や情緒とか、性格とかは無視して、外に現れている行動様式のみを分析の対象にしていきます。ですので、お子さんが何を思ったとか、何を考えたとか、そういったことは念頭に置きません。そのため、どこかドライな感じがしてしまいます。それ故に、最初から嫌悪感を覚えるかもしれません。しかしまず最初に治したいのは行動です。その行動の延長に一人の人間の自立があるのであれば、情緒や心がとかいう前に、行動そのものを変えていく手立てを踏むことが先決であります。その方法論を伝えようとするのが本書と言うことになります。
本書が必要な方は、情緒や心の成長を重視しすぎるがあまり、子供の意思を尊重しすぎて自由気ままにさせてしまい、子供が我儘放題になってしまったご家族ではないかと思います。家族の主導権が完全に子供に移ってしまい、それに振り回されてしまっている、そういった方にお薦めです。中途半端に子供に主導権を渡すのではなく、しっかりと大人が主導権を持つこと、それは体罰ではなく、誉めること、ルールを決めてそれに従うようにしていくことで可能となることを解説しています。本書だけではなかなか理解できないところもありますので、先ずは下にある他の参考書を読むことをおすすめします。
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『上達の技術 一直線にうまくなるための極意』 児玉光雄著 SBサイエンス・アイ新書
上達の技術 一直線にうまくなるための極意 (サイエンス・アイ新書) 児玉 光雄 ソフトバンククリエイティブ 2011-04-20 売り上げランキング : 14287
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私はどちらかというと不器用で、これまでいろいろなことを途中で放棄してきてしまったような気がします。唯一続いているのが写真を撮ることと、仕事の鍼(はり)ということでしょうか。
写真は趣味だからいいとしても、鍼は仕事ですから途中で放り出すわけにはいきません。しかし、当然ながら“鍼は技術”という側面もありますので、もっともっと技術面から向上できる方法はないかと思うわけです。また、鍼の仕事をしておりますと、特にスポーツ選手やスポーツをされている方の施術をすることもあり、どうやったらその技術を向上させることが出来るのか、相談を受けることがあります。
ということで、何かに打ち込んでいる方にお薦めの一冊がこちらの『上達の技術 一直線にうまくなるための極意 』です。
私を含め、多くの方は天才ではありません。長嶋さんのような天才肌の方ですと、「来た球をバシッと打つんだ!そうそう!」なんていう身振り手振りの感覚的な指導でも、何だかコツをつかんで技術が向上していくことはあるのでしょう。しかし、そういった天才肌でない限り、指導は具体的で、科学的な根拠があった方のが納得しやすく、向上の手がかりになります。この辺りは、野村克也氏の本が役に立つと思いますが、自分の利点を最大限に活かすための、効率的な努力の仕方を考えるべきなのかなと私は思います。
本書の最初は、脳と運動神経の仕組みなどを解説し、そこから、どうやったら能率が上がるかを説明していきます。
一本調子でとにかく練習すればいいというのではなく、むしろ急速や睡眠を入れた方のが効率が上がるとか、記憶の定着のためにいつ復習したらいいとか、そういった小さいけれども成果の差が出る、今すぐ出来る方法を伝授してくれています。さすがに後半は少し散漫になるところもありますが、一貫して報われる努力の仕方を教えてくれております。
本書はやはり身体を動かす技術としてのスポーツ寄りには書かれていますが、私のような技術職の方にも応用が出来ると思いますし、集中や記憶のことなどは、ビジネスにも応用できるのではないでしょうか。
そういえば、私が背中に施術する散鍼という鍼の技術。これは岐阜羽島の先生に伝授していただいたものなのですが、最初はうまく出来ませんでした。何度やっても左手と右手のタイミングが合わずに鍼を曲げてしまいます。しかしある時、練習の合間に昼寝をしてしまい、目が覚めて練習を再開したら、昼寝の前より技術が向上していることに気がつきました。これは、寝ている間に脳が必要な情報を自動的に選り分けてくれたものなのですが、こうったことも本書に書かれていますので、あの時の昼寝はまんざら無駄ではなかったと、これからは昼寝も推奨していこう、なんて思っておりまして、もし昼休み後に治療院の電話がつながらなかったら、昼寝をしているかもしれませんので、ご了承くださいませ(笑)。
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上達の技術 一直線にうまくなるための極意 (サイエンス・アイ新書)
- 作者: 児玉光雄
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『数に強くなる』 畑村洋太郎著 岩波新書
数に強くなる (岩波新書) 畑村 洋太郎 岩波書店 2007-02-20 売り上げランキング : 83230
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小さい頃やっていた習い事で、もう一度きっちりとやり直したいものの一つに、書道と算盤があります。書道については、日本の文化でありますし、やはりこの歳になると字がきれいであると言うことは、教養のある大人のたしなみとも思いますので、きれいに書けるにこしたことはないですよね。
そしてもう一つの算盤。
小学校の時、算盤をやっている友達が多く、自分もやってみようかなと思って行ってみたのですが、何がなんだかさっぱり分らずすぐに挫折。世の中には計算機というものがあるのだから、それを使えば問題ないし、筆算(ひっさん)が出来ればいいんじゃないかと開き直り、だいたいあの珠を動かすことの必要性が分らなかったのです。あの算盤の珠が何を象徴しているのか、そういったことがわからないと先に進めない厄介なところがありました。
しかし、算盤を学び直したいと思ったのは、司馬遼太郎の本を読んだ時でした。たしか司馬遼太郎の『司馬遼太郎全講演 (朝日文庫)』を読んだ時だと思うのですが、その中に、「西郷隆盛をはじめ、幕末に活躍した志士たちはみなそろばんが出来た」という記述がありました。新しい時代を切り拓くために奔走した志士たちは、単に武術に長けていただけではなく、しっかりと数字で以て明治維新の計画を練っていたと言うことなのです。政治家と数字というのは、どうも私の頭の中では全くの別物だと思っていたのですが、そうではなく、政治家こそ数字に詳しくあるべきで、国全体を把握するための手段として、数字に明るくしておくということが必要なのだと、この記述を読んで思ったのです。
私は大学で経営学を学びましたが、当時はやはり数字の把握が十分に出来ませんでした。どれくらいの規模なのか、何を意味するのか、指標となる数字の意味が今ひとつ飲み込めず、実感がもてないまま授業を受けていました。いかんですよね、これは。
現在私は、政治家ではありませんし、鍼灸院を経営はしていますが、どちらかというと職人気質で現在は一人でやっておりますので、経営者という感覚もありません。なので、数について強くなる必要はないのですが、しかし、それでもやっぱり数についてある程度の受容能力を身につけておくことは必要だと思っています。もしかしたら、こういった数への教養を高めておくと、鍼灸治療にもいい視点が出来るかもしれない、と思うわけであります。
と、話が全然違う道にそれましたが、『数に強くなる (岩波新書)』です。
著者の畑村洋太郎氏は、『失敗学』で有名になった工学系の教授です。テレビにも度々出演されていますし、2011年5月からは、政府の東京電力福島原子力発電所における事故調査・検証委員会委員長にも就任されているので、ご存知の方も多いかと思います。
ということで、畑村洋太郎氏は、「数について強くなる」ためにも適任の先生かと思いますが、本書は講義を聴いている感じで、喩え話しを交えながら分かりやすく進んでいきます。ところどころに氏のユーモアも入ってくるので、数に弱い私などでも肩の力を抜きながら読むことが出来ます。全編通して難しいところはなく、なるほどなるほどと興味をそそられながら一気に読み終えることが出来ました。
読み終えた後、こうして数と付き合っていくことが大切なのだと、痛感しています。また、いろいろな事象を数に変換することで、真実の側面が見えてくることがあると言うことも知ることが出来ます。数に対する抵抗力をなくし、数に親しむ、そういった姿勢を本書から学ぶことが出来ます。また、本書の中では、真のリーダーは数に強いというような記述もありましたが、私が以前司馬遼太郎の本を読んでいたことと同じ内容で、やはり算盤を学び直してみようかと思った次第であります。
後半はより具体的な数の応用の仕方があったり、畑村氏独特の見解があったりと、それぞれの仕事で応用可能なものがちりばめられているかと思います。
もう一度数について学び直したい方、現在中高生くらいで数学の授業に苦手意識を持ち始めている方などにお薦めです。
【畑村洋太郎氏の他の著書】
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